鮎の内臓は食べられる?焼き方で変わる味と内臓を美味しく食べる方法

鮎は爽やかな香りとさっぱりとした風味が特徴の魚ですが、内臓まで食べることで味わいに奥行きが生まれます。内臓のほろ苦さは、淡白な白身の美味しさを引き立ててくれる存在で、その独特の風味に魅了される人も少なくありません。そこで本記事では、内臓の風味の特徴や食べる際の注意点、さらに内臓を美味しく食べるための調理法について詳しく紹介します。
この記事を読むための時間:3分
鮎の内臓を美味しく食べるための調理法
一般的に魚を調理する際は内臓を取り出す場合が多いのですが、鮎は内臓まで食べられる魚です。苦味と旨味のバランスが良く、適切な方法で調理することで内臓ならではの奥深い味わいを楽しめます。以下では、家庭でもできる調理法として塩焼きとうるかの2種類を紹介します。
塩焼き
定番の塩焼きは、鮎のさっぱりとした白身だけでなく内臓のほろ苦い風味まで楽しめる料理です。下処理の段階で内臓を取り除かず、そのまま塩をふって焼くだけなので手軽に調理できます。白身と一緒に食べられるため、内臓を食べることに慣れていない方でも食べやすく、親しみやすい味わいです。
うるか
うるかとは、鮎の内臓を塩漬けにして熟成させた珍味で、古くから保存食として親しまれてきました。しっかりとした塩気と苦味が生み出す独特のコクがあり、日本酒の肴としてはもちろん、温かいご飯の上に乗せて食べるのもおすすめです。うるかにはいくつかの種類があり、使用する部位によって以下のように分類されます。
- 苦うるか:鮎の内臓のみ
- 身うるか:鮎の身と内臓
- 子うるか:鮎の卵巣
- 白うるか:鮎の精巣
鮎の内臓の風味
鮎の内臓はただ苦いだけでなく旨味もあり、独特のバランスが白身の美味しさを一層引き立ててくれます。塩焼きにすると余分な水分や脂が飛ぶため、内臓の苦味と旨味が際立ちます。
内臓を食べることに慣れていない方にとっては、最初は苦味が強く感じられるかもしれませんが、次第に奥深い味わいを楽しめるようになるでしょう。苦味が気になる場合は、すだちや蓼酢を添えると、さっぱりと食べやすくなるのでぜひ試してみてください。
鮎の内臓を食べても問題が無い理由
鮎の内臓が食べられるのは、主に川の岩に生える苔を主食としているからです。小魚や虫などの動物性の餌を食べる魚と違い、内臓に臭みが少なく、寄生虫も蓄積されにくいため、比較的安心して内臓まで食べられます。
鮎の内臓を食べる際に注意すべきポイント
他の魚に比べて生臭さや寄生虫のリスクが少ない鮎ですが、安全に内臓を食べるにはいくつかの点に注意しなければなりません。苔といった植物を食べる鮎であっても体内に寄生虫が存在する可能性があります。そのため、内臓は生で食べることは避け、十分に加熱してから食べましょう。鮎を調理する際は、中までしっかり火が通るようにお腹に切り込みを入れてから加熱するのがおすすめです。
また、鮎の大きさにも注意しなければなりません。大きすぎると中まで火が通りにくいため、内臓まで食べる料理に使用する際は20cm程度のサイズがおすすめです。さらに、時間が経つと内臓から劣化が始まるため、長時間の保存は避け、なるべく新鮮なうちに調理しましょう。調理前と後は、器具や手をしっかりと洗うなど、衛生管理にも気をつけてください。
苦味と旨味のバランスを味わおう
本記事では、内臓の風味の特徴や食べる際の注意点、さらに内臓を美味しく食べるための調理法について解説しました。鮎の内臓は、苦味と旨味のバランスが生み出す複雑な味わいが魅力です。塩焼きにして白身と一緒に食べたり、うるかにして日本酒と味わったりと、さまざまな楽しみ方があります。
ただし、鮎の内臓を調理する際は、適切な調理法と衛生管理を心がけましょう。今回紹介した内容を参考にして、鮎の内臓の魅力であるほろ苦さを安全に楽しんでみてください。