川魚を生で食べるのが危険な理由は?生でも食べられるケースも解説 | 〜緒方の鮎〜 OGATA養殖技術研究所

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川魚を生で食べるのが危険な理由は?生でも食べられるケースも解説

サツキマス

 

新鮮な魚の刺身や寿司は多くの人に好まれていますが、川魚となると話は別です。海の魚は生で食べられるのに、なぜ川魚は生食が危険だといわれるのでしょうか?そこでこの記事では、川魚を生で食べるのが危険な理由について解説します。生でも食べられるケースもあわせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事を読むための時間:3分

川魚を生で食べるのが危険な理由

川魚を生で食べるのが危険とされる主な理由は「寄生虫」や「細菌」のリスクが高いためです。川や湖といった淡水環境は、海水に比べて寄生虫が繁殖しやすい条件が揃っています。特に注意すべきなのが顎口虫(がっこうちゅう)や横川吸虫(よこがわきゅうちゅう)といった人体に深刻な影響を与える寄生虫です。

 

寄生虫は魚の体内や筋肉に潜んでおり、生で食べると体内に入り込んで内臓や筋肉に移動し、腹痛や嘔吐を引き起こします。重症化すれば、手術が必要になることもあるでしょう。また、淡水魚には腸炎ビブリオや大腸菌などの細菌が付着している可能性もあり、体調によっては下痢や発熱などの症状が出る場合もあります。特に小さな子どもや高齢者、妊娠中の方などは注意が必要です。

川魚でも生で食べられるケース

全ての川魚が絶対に生で食べられないというわけではありません。一部の養殖魚や冷凍処理をした魚であれば、リスクを抑えて生で食べられることがあります。たとえば、養殖のニジマスやアユなどは、餌や環境管理が徹底された寄生虫の感染がない清浄な水質で育てられています。そのため、生で食べても寄生虫がついているリスクは低いです。

 

また、マイナス20度以下で3~5日凍結させると、寄生虫が死滅すると言われています。ただし、冷凍庫の温度によって寄生虫が死滅するまでの時間に誤差が生じるため注意してください。近年では、厚生労働省が「-20℃で24時間以上の冷凍処理」を生食に適した基準として提示しており、基準をクリアした製品は「生食用」として市販されています。購入する際には、パッケージの表示をよく確認することが大切です。

川魚を食べる時の調理方法

川魚を食べる時の調理方法には、以下のような手段があります。

 

  • 加熱調理
  • ルイベ

加熱調理

安全に川魚を食べるためには、加熱による調理が基本です。寄生虫や細菌は高温に弱いため、中心部までしっかり火を通すことで感染のリスクを大幅に下げられます。代表的な加熱調理法は、塩焼き・煮付け・天ぷらなどです。特に鮎・ヤマメ・イワナなどは、塩焼きにすることで香ばしく、川魚特有の風味を楽しめます。

 

また、フライや唐揚げのように高温で揚げる方法は、骨まで柔らかくなるため、子どもでも食べやすいです。

ルイベ

ルイベは、冷凍した魚を半解凍状態で刺身のように食べる方法です。もともと寄生虫の多いサケ類を安全に食べるために生まれた食文化であり、冷凍によって寄生虫を死滅させることで安全性を確保しています。川魚においても、適切な冷凍処理を行っていればルイベとして食べることも可能です。

 

ただし、一般家庭で安全にルイベとして川魚を楽しむには、冷凍温度や時間の管理が難しく、推奨はされていません。そのため、ルイベとして楽しみたいのであれば専門の加工業者や飲食店に任せるのが安心です。

生の川魚の危険性を知って安全な食べ方で楽しもう

川魚は、釣りたてで新鮮でも生で食べるのは危険です。川魚の寄生虫は見た目では分からず、冷凍や加熱処理をしない限り、確実には除去できません。仮に症状が出なくても、体内で徐々に影響を与える可能性があるため、甘く見ないようにしてください。

 

一方、養殖や冷凍処理をしっかり行った川魚は、正しく取り扱えば安心して食べられます。安心して川魚を楽しむためにも、危険性を十分理解し、安全な食べ方を試してみてください。

この記事の著者

緒方 剛

1988年5月29日、和歌山県南紀白浜生まれ。小学生~高校生まで野球部に所属。大学進学で上京、約16年間東京で生活。会社員時代、営業職を通して社内外の人から仕事の楽しさや進め方を学んでいく過程で、会社経営に興味を持つようになる。年齢を重ねるにつれて、両親が行っている鮎養殖事業への興味・関心が高まり鮎養殖の世界へ飛び込んだ。2代目として、「緒方の鮎」の価値をさらに向上させていくことが1番の目標。

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