鮎の漁業権が厳しい理由は?鮎釣りをする時の注意点もあわせて解説

清流に生息する鮎は、日本の夏を代表する魚として知られています。しかし、漁業権は他の魚種に比べて非常に厳しく管理されていることをご存じでしょうか。そこでこの記事では、鮎の漁業権が厳しい理由について解説します。鮎釣りをする時の注意点もあわせて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。
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鮎の漁業権が厳しい理由
鮎の漁業権が厳しい理由は、以下の2つです。
- 一時全滅の危機まで陥ったから
- 鮎は1年しか生きられないから
一時全滅の危機まで陥ったから
過去には水質の悪化・乱獲・ダムの建設などによって、鮎の個体数が激減した時期がありました。地域によっては、ほとんど鮎が獲れなくなった「全滅の危機」にまで至ったこともあります。そのため、鮎の漁業権を厳しく管理し、漁期や漁法を制限することで、資源を守る仕組みが整えられました。
鮎は1年しか生きられないから
鮎は「年魚」とも呼ばれ、通常1年で一生を終える短命の魚です。そのため、1度数が減ってしまうと、翌年の資源回復が非常に難しくなります。限られた寿命の中で確実に繁殖・保護する必要があるため、他の魚以上に繊細な資源管理が求められ、漁業権も厳格に設定されています。
鮎釣りをする時の注意点
鮎釣りをする時の注意点は、以下の3つです。
- 禁漁期には釣りをしない
- 必要に応じて遊漁券を購入する
- 違反者には罰則があるためルールをよく確認する
禁漁期には釣りをしない
鮎釣りには「漁期(解禁期間)」と「禁漁期」が設けられており、多くの河川では例年初夏〜秋の数カ月間が解禁期間とされています。禁漁期に釣りを行うことは違法行為となり、生態系への悪影響だけでなく、地域の漁協や釣り人全体への迷惑にもつながるため注意してください。川ごとに禁漁期間が異なるため、釣りへ行く前に必ずその河川のルールを確認しましょう。
必要に応じて遊漁券を購入する
多くの地域では、鮎釣りを行うには「遊漁券」の購入が義務付けられています。遊漁券は、漁業協同組合が河川を管理・保護するための重要な資金源です。近隣の釣具店や漁業共同組合、またはインターネットで購入可能な場合もあります。遊漁券には「日釣り券」や「年券」などがあり、料金や取り扱い方法も地域によって異なるため、事前によく確認することが大切です。
違反者には罰則があるためルールをよく確認する
鮎釣りでは、漁法や使用できる道具、釣ってよい時間帯などにも細かなルールがあります。ルールは地域や川によって異なり、守らなければ罰金や道具の没収といった罰則が科されることがあるため注意してください。釣りを始める前には、川を管理する漁協や自治体が定めた「遊漁規則」をしっかり確認し、ルールを守って楽しむよう心がけましょう。
手軽に食べたい場合は養殖の鮎を購入するのもおすすめ
天然の鮎は漁業権によって採捕が厳しく制限されており、気軽に釣ることは難しいケースもあります。解禁時期や漁場のルールを守らないと罰則を受けることもあるため、初心者にはハードルが高く感じられることもあるでしょう。そのような場合には、養殖の鮎を購入して家庭で楽しむのも1つの方法です。
最近では、清流に近い環境で育てられた養殖鮎も多く存在します。臭みが少なくて身も柔らかいため、天然の鮎にも負けない味を楽しめるでしょう。
ルールを守って鮎釣りを楽しもう
鮎の漁業権が厳しいのは、過去に全滅しかけたことと、鮎の特性である「年魚」であることが大きな要因です。鮎を守るためにも、禁漁期の釣りを避け、必要に応じて遊漁券を購入するなど、ルールを守って釣りを行いましょう。現在では養殖の美味しい鮎もたくさん出回っているため、手軽に食べたい場合はぜひ試してみてください。